修理品管理とは?紙の台帳・Excel・専用システムの比較と、修理店の選び方
修理品管理とは、お預かりした品物を、受付からお渡しまで「取り違えず、忘れず、あとから説明できる」状態に保つことです。このページでは、記録する項目、よくある失敗、紙・Excel・専用システムの違い、件数ごとの選び方を、修理店の現場の言葉でまとめました。無料のExcelテンプレートも配布しています。
1. 修理品管理で記録する項目
道具が紙でもExcelでもシステムでも、記録する項目は変わりません。最低限これだけあれば、取り違えと連絡忘れはほぼ防げます。
| 項目 | 何のために書くか |
|---|---|
| 受付番号 | 通し番号。お預かりタグと控えに同じ番号を書く。取り違えを防ぐ一番の基本 |
| 受付日 | お預かりした日。納期の起点になる |
| お客様の名前・電話番号 | 連絡先。電話番号で過去の修理を探せるようにしておく |
| 品目・品名・特徴 | 「エレキギター/ストラトタイプ 黒」のように、他の預かり品と見分けがつく書き方で |
| 症状・ご要望 | お客様の言葉のまま。「音が出ない」「かかとが片減り」 |
| お預かり時の状態 | キズ・欠品・付属品。お返しのときに揉めないための記録 |
| 見積金額と承認日 | いくらで、いつお客様が承認したか。空欄なら「返事待ち」 |
| 納期(予定) | お客様に伝えた仕上がり予定日 |
| 状態 | お預かり中 → 見積もり済み → 修理中 → 作業完了 → ご連絡済み → お渡し済み |
| 作業内容・部品 | 何をしたか、何を使ったか。次回の来店で「前回はここを直しました」と言える |
| 担当 | 誰が作業したか。複数人のお店では必須 |
| お渡し日・会計 | いつ渡して、いくら受け取ったか。売上の集計はここから |
一番効くのは「受付番号」です。台帳と品物と控えに同じ番号があるだけで、取り違えはほぼ起きなくなります。
2. よくある失敗と、その原因
修理店で起きる困りごとは、だいたいこの5つに収まります。どれも道具の問題ではなく、台帳に「その欄が無い」ことが原因です。
取り違え
同じ品目を複数預かると、控えの紙だけでは誰の物か追えなくなる。受付番号を品物にも付けることで防げる。
連絡忘れ
仕上がったのに連絡を忘れ、品物が棚に残り続ける。「作業完了(未連絡)」という状態を台帳に持ち、その行を毎朝見るだけで減る。
承認待ちで止まる
見積もりを電話で伝えて折り返しを待つ間、作業に入れない。承認日の欄を作り、空欄の行に翌日もう一度連絡する。
履歴が残らない
お渡し済みの伝票を捨てると、次の来店で「前回どこを直したか」を聞き直すことになる。台帳の行は消さずに残す。
伝票が見つからない
紙の伝票は「作業中の品物の近く」に置かれて散らばる。台帳は1か所にまとめ、伝票は番号だけで引けるようにする。
3. 紙の台帳・Excel・専用システムの比較
それぞれに向き不向きがあります。「今のお店で一番手間がかかっている行」を見て選ぶのが早いです。
| 紙の台帳 | Excel・スプレッドシート | 専用システム | |
|---|---|---|---|
| 費用 | ノート代のみ | 無料(Excel・Googleスプレッドシート) | 無料〜月数千円 |
| 始めやすさ | 今日から | 今日から(テンプレートがあれば) | 登録して当日から |
| 取り違え防止 | 番号を手書き | 番号を手書き+検索で探せる | 番号・タグを自動発行 |
| お客様への連絡 | 電話 | 電話(台帳を見ながら) | 状態を変えると自動でLINE・メール |
| 見積もりの承認 | 電話で口頭 | 電話で口頭 | お客様がスマホでワンタップ |
| 履歴の検索 | ページをめくる | 電話番号で検索 | お客様ごとに自動でまとまる |
| 複数人での利用 | 1冊を回す | 同時編集は苦手(スプレッドシートなら可) | 全員が同じ画面 |
| スマホ・タブレット | × | △(見づらい) | ○ |
| 売上の集計 | 手計算 | 関数で可能 | 自動 |
紙とExcelの差は「探せるかどうか」、Excelとシステムの差は「連絡を自分でするかどうか」です。
4. 件数別の選び方
月10件まで
紙の台帳かExcelで足ります。大事なのは道具より「受付番号を品物に付ける」「状態の欄を持つ」の2つです。
月10〜30件
Excelが向いています。電話番号で履歴を引けるようになり、状態で絞り込めば手元にある品物だけを見られます。連絡は電話のままなので、ここが一番の手間になります。
月30件以上、またはスタッフが2人以上
連絡と履歴を自動で残す専用システムの方が手が減ります。目安は「見積もりの承認と完了の連絡を、毎日電話でしている」状態になったら、です。
5. 無料の修理品管理台帳(Excelテンプレート)
上の項目をそのまま列にした台帳です。「状態」は一覧から選ぶ形にしてあり、お渡し済みの行は灰色、返事待ちの行は黄色に変わります。電話番号で検索すれば、同じお客様の過去の修理が出てきます。
- 受付のたびに1行足し、受付番号をお預かりタグにも書きます。
- 見積もりを伝えたら「見積承認日」を入れます。空欄の行が返事待ちです。
- 作業が終わったら状態を「作業完了(未連絡)」にし、連絡したら「ご連絡済み」へ。
- お渡し済みの行は消さずに残します。それが履歴になります。
この台帳は、リペアカルテにそのまま取り込めます(設定 → 受付・案件 → 台帳から取り込む)。あとでシステムに移るときも、入力し直しはありません。
6. 専用システムを使う場合
月30件を超えたり、スタッフが2人以上になったりすると、台帳そのものより「お客様への連絡」と「履歴の検索」に時間を取られるようになります。専用システムはその2つを自動にするための道具です。
リペアカルテは、楽器修理の現場で使うために作られた修理品管理システムです。受付のカルテ、見積もりの承認、進捗のLINE・メール通知、お客様ごとの履歴、レジ連携までをブラウザだけで行えます。フリープランは月100件まで無料で、クレジットカードの登録は不要です。
業種ごとの使い方はこちら。
7. よくある質問
修理品管理と顧客管理は何が違いますか?
修理品管理は「今、お預かりしている品物」を追う仕組み、顧客管理は「お客様ごとの履歴」を残す仕組みです。修理店では両方が同じ台帳から生まれるので、電話番号を軸に1つにまとめると手間が半分になります。
紙の伝票をやめるとき、過去の分も入力し直す必要はありますか?
ありません。次の受付から新しい台帳に書き始めれば十分です。過去の伝票は箱に入れて番号順に残しておき、必要なときだけ引きます。
Excelのテンプレートは自由に使えますか?
はい。このページで配布している修理品管理台帳は、改変も社内配布も自由です。Googleスプレッドシートに取り込んでも使えます。
修理品管理システムは楽器店以外でも使えますか?
使えます。記録する項目は業種が変わってもほぼ同じです。時計、靴、カバン、自転車、洋服のお直し、スマホ、カメラ、家電、家具、メガネなど、品物を預かって直すお店なら同じ考え方が当てはまります。
お客様への連絡をLINEでしたい場合、何が必要ですか?
LINE公式アカウント(無料)と、それに連携できる修理品管理システムが必要です。お客様には友だち追加をしてもらうだけで、見積もりの承認や完了の連絡が届くようになります。LINEを使わないお客様にはメールで送る仕組みを選ぶと取りこぼしがありません。