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修理完了の連絡忘れをなくす方法|未連絡・未返却を溜めない仕組みと、無料の連絡記録表

修理は終わっているのに、お客様はまだ知らない。修理完了の連絡忘れは、忙しさや不注意よりも、「連絡した」の数え方から起きます。このページでは、実際にあった1件をもとに、連絡忘れが起きる理由と、紙でも Excel でも今日から使える防ぎ方をまとめました。印刷して使える「完了連絡の記録表」も付けています。

公開日 2026年9月17日 ・ 執筆 リペアカルテ(楽器修理の現場から生まれた修理品管理システム)

1. 実際にあった連絡忘れ:完了から約1か月、お客様は知らなかった

藤沢の楽器店「楽器屋BOW」で、修理を紙の伝票で管理していた頃にあった出来事です。

1

完了の電話をかけたが、不在だった

ある修理が終わり、お客様に完了の電話をかけました。お客様は不在で、電話はつながりませんでした。

2

「連絡済み」だと思い込んだ

電話はかけたので、連絡は済んだものと思い込みました。かけ直さないまま、日が過ぎていきました。

3

約1か月後、お客様から電話が来た

「修理はいつ終わりますか」という問い合わせでした。紙の伝票ではその場で答えられず、「確認して折り返します」と伝えて、いったん電話を切りました。

4

伝票を探したが、連絡の記録はどこにも無かった

お名前と電話番号を手がかりに、紙の伝票の束から1枚を探し出しました。けれども、いつ電話をかけたのかは伝票に書かれておらず、記憶にも残っていませんでした。

修理はとうに終わっていました。それをお客様が知ったのは、完了から約1か月後、ご自身で電話をかけたときです。どの楽器の修理だったかは、今ではもう分かりません。

この1件で、完了の電話そのものは忘れられていません。電話はかけられています。抜けたのは「つながらなかった電話のかけ直し」で、それに気づく手段が店の側にありませんでした。

2. 修理完了の連絡忘れは、なぜ起きるのか

上の出来事を分けて見ると、理由は3つあります。どれも、人の注意力の話ではありません。

「かけた」と「伝わった」が同じ扱いになっている

電話をかけた時点で、頭の中では用事が済みます。出なかった電話も、出た電話も、かけた本人の記憶では同じ「連絡した」です。BOW の件で抜けたのは連絡そのものではなく、つながらなかった電話のかけ直しでした。

結果を書く場所が無い

紙の伝票にも台帳にも、「完了」の欄はあっても「いつ・何で連絡して・どうだったか」の欄はたいていありません。書く場所が無いものは、記憶にしか残りません。

直った品物は、誰も困らせない

修理中の品物は納期が迫れば目に入ります。直って棚に置かれた品物は、店の中では片付いた仕事です。困っているのはお客様だけなので、店の側からは気づくきっかけがありません。

「気をつける」では防げない、ということです。防ぐには、終わりの線を引き直すこと(3章)と、店の側から気づく時間を作ること(4章)の2つが要ります。

3. 仕組みの1つ目:「伝わった」まで終わりにしない

連絡の仕事の終わりを、「かけた」から「伝わった」に動かします。そのために、連絡するたびに結果を3つのどれかで書きます。

結果どういうときか次にすること
伝わったご本人と話せた。または、LINE・メールに返信があった状態を「ご連絡済み(引取待ち)」に変える
不在電話に出なかった。LINE・メールに反応が無い状態はそのまま。次にかける日を決める
伝言留守番電話に入れた。ご家族や職場の方に伝えた状態はそのまま。ご本人に届いたかは分からないので、もう一度確かめる
  • 状態は2つに分ける。「作業完了(未連絡)」と「ご連絡済み(引取待ち)」です。「完了」の1つしか無いと、直ったことと伝わったことの区別が付きません。状態の決め方の全体は「修理の進捗管理」の2章にあります。
  • 「不在」と「伝言」では状態を動かさない。BOW の件は、不在の電話で状態が(頭の中で)「連絡済み」に進んだことが始まりでした。
  • 書くのは3つだけ。月日・手段・結果です。文章で書こうとすると続きません。6章の記録表は、この3つを丸と略号で書けるようにしてあります。

4. 仕組みの2つ目:毎朝、「伝わっていない品物」だけを見る

BOW の件で、気づいたのはお客様でした。店の側から気づくには、探しに行く時間を決めておくしかありません。見るのは台帳の全部ではなく、次の2つだけです。

1

直ったのに「伝わった」の印が無い品物

今日、連絡する相手です。前回が「不在」なら時間帯を変え、2回続いたら手段を変えます(5章)。

2

伝わったのに、お渡しが済んでいない品物

何日たったら再度連絡するかを、お店で先に決めておきます。線の決め方は「修理の進捗管理」の3章にまとめています。

開店前に表を1枚見るだけなので、時間はかかりません。大事なのは、「誰が・いつ見るか」を決めて、連絡の仕事を記憶から表に移すことです。

5. 電話がつながらないときの進め方

時間帯を変える

平日の昼に出なかった方に、翌日の同じ時間にかけても出ません。夕方、または土日に変えます。受付のときに「つながりやすい時間帯」を聞いて書いておくと、1回目から当たります。

手段を変える

電話に2回出なかったら、文字で送ります。SMS(ショートメッセージ)、LINE、メールのどれかです。文字は相手の都合のよいときに読めて、送った日時がこちらにも残ります。

留守番電話には、用件と折り返し先を全部入れる

「またかけます」だけでは、お客様は何の電話か分かりません。店名・品物・修理が終わったこと・営業時間・電話番号を入れます。それでも記録は「伝言」です。

いちばん効くのは、受付の時点で決めておくことです。「仕上がりの連絡は何でお送りしましょうか」「お電話なら何時頃がよいですか」の2つを聞き、受付票に書きます。修理受付票のテンプレートには、そのための「連絡方法・時間帯」の欄があります。連絡の文面の型は「修理の進捗管理」の5章に載せています。

6. 完了連絡の記録表(無料テンプレート・PDF)

3章と4章を紙1枚でできるようにした表です。A4横で12件分。連絡1回ごとに「月日・手段」を書き、結果の「伝わった・不在・伝言」のどれかに印を付けます。改変・店内での配布は自由です。

完了連絡の記録表の記入例。受付番号・お客様名・品物・完了日と、連絡1回目から3回目までの月日・手段・結果(伝わった・不在・伝言)、お渡し日、メモの欄
記入例。青い文字が手書きする部分です(お客様・品物は架空のものです)。3行目は、まだ「伝わった」の印がありません。
完了連絡の記録表.pdf印刷してそのまま使う版。A4横1枚、白黒。登録やメールアドレスの入力は要りません。
PDFをダウンロード

使い方

  1. 修理が終わったら、その日のうちに1行足します。置き場所は電話の横か、完了品の棚です。
  2. 連絡するたびに1回分を書きます。つながらなかった回も書きます。
  3. 毎朝、「伝わった」の印が無い行と、お渡し日が空いている行だけを見ます。
  4. 1枚の全部の行にお渡し日が入ったら、月ごとにとじて保管します。

Excel で管理しているお店は、修理管理台帳に「連絡日」「手段」「結果」の3列を足せば、同じことができます。「結果」はドロップダウンで3つから選ぶ形にします。

7. よくある失敗

「完了」の印ひとつで済ませる

伝票に「済」と書いた時点で、直ったのか、伝えたのか、渡したのかが区別できなくなります。少なくとも「直った」と「伝わった」は別の印にします。

連絡はまとめて週末に

まとめるほど1件ずつの記憶は薄れ、どれにかけたか分からなくなります。連絡は、直したその日に、直した人がするのがいちばん抜けません。

かけ直しを付箋で管理する

付箋は剥がれ、重なり、いつ貼ったか分かりません。かけ直しが要る品物は、表の1行として残します。

連絡先を電話番号しか聞いていない

日中に電話へ出られない方は少なくありません。受付のときに、電話以外の手段(LINE・メール・SMS)を1つ聞いておきます。

8. リペアカルテならこうなる

1章の楽器屋BOW は、その後、紙の伝票をやめてリペアカルテで修理を管理しています。リペアカルテでは、このページの2つの仕組みが次の形で入っています。

  • 「送った」では状態が進まない。状態を「作業完了(未連絡)」にすると、お客様の LINE かメールに完了の連絡が自動で届きます。状態が「ご連絡済み(引取待ち)」に進むのは、お客様が「確認しました」を押したとき(または受け取りの来店日を予約したとき)です。電話で伝えた場合は、お店が手で進めます。
  • 伝わっていない品物は、一覧に残り続ける。「作業完了(未連絡)」のまま日数が過ぎた案件は、ダッシュボードの「要対応」に出ます(日数はお店で変えられます)。
  • いつ・何を送ったかは、カルテに残る。お客様から電話が来たら、受付番号・お名前・電話番号のどれかで検索して、その場で答えられます。
リペアカルテのダッシュボード上部。本日の受付、本日のお渡し予定、対応中の修理、要対応の件数と、期限が近い・進捗が滞っている案件の内訳
「作業完了(未連絡)」のまま止まっている案件は、「要対応」に数えられます。毎朝ここだけを見れば済みます。

フリープランは月100件まで無料で、クレジットカードの登録は不要です(LINE・メールでの自動連絡はスタンダードプランから)。業種ごとの使い方はこちら。

9. よくある質問

留守番電話に入れたら「連絡済み」にしてよいですか?

しない方が安全です。留守番電話は聞かれないことがあり、ご家族への伝言はご本人に届かないことがあります。記録は「伝言」として残し、ご本人から折り返しや返信があった時点で「伝わった」にします。数日たっても反応が無ければ、もう一度連絡します。

完了の連絡は、電話と LINE・メールのどれがよいですか?

お客様に選んでもらうのがいちばんです。電話はその場で話せますが、不在があり、記録が残りません。LINE やメールは相手の都合で読めて、送った日時と文面が残ります。受付のときに「仕上がりの連絡は何でお送りしましょうか」と聞き、受付票に書いておきます。

何度連絡しても返事が無いときは、どうすればよいですか?

時間帯を変え、手段を変え、それでも届かなければ郵送(はがき)が残ります。どの場合も、連絡した日・手段・結果を残しておくことが大切です。保管の期限や、期限を過ぎた品物の扱いは、受付のときにお客様へ説明して控えに書いてあることが前提になります。処分などの判断は、専門家に確認してください。

お客様から「まだですか」と電話が来たとき、すぐ答えるには?

受付番号か電話番号から、その1件をすぐ引ける状態にしておくことです。紙なら、控えに受付番号を書いて渡し、伝票を番号順にとじます。Excel なら電話番号で検索できます。あわせて、連絡の記録(いつ・何で・結果)がその1件に付いていれば、「○日にお電話したのですが、ご不在でした」とその場で答えられます。

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