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修理受付票の書き方|記載項目・記入漏れ・無料テンプレート(PDF・Excel)

修理受付票は、お客様から品物を預かるときに「誰の・何を・どんな状態で・何をいくらで・いつまでに」を書き留め、お店とお客様が同じ内容を持つための紙です。このページでは、受付票に書く項目と抜けやすい欄、受付の場での書き順、紙・Excelでの運用、件数が増えたときに起きることをまとめました。印刷してそのまま使える受付票のPDFと、店名を入れて使えるExcel版を無料で配布しています。

公開日 2026年9月9日 ・ 執筆 リペアカルテ(楽器修理の現場から生まれた修理品管理システム)

1. 修理受付票とは

修理受付票は、お預かりの内容を1件1枚に書く、お店側の記録です。レジのレシートや口頭の約束と違って、「預かったときの状態」「見積もりと承認」「いつまでに」が同じ紙に残るので、お渡しのときの認識違いと、棚の中の取り違えを防げます。似た名前の書類との違いを先に整理しておきます。

書類誰が・何のために受付票との関係
修理受付票お店が書く。お預かりの内容を1件1枚に記録するこのページの対象。台帳やシステムの元になる
お預かり票(預かり証)お客様に渡す控え。受付番号・品物・概算・予定日受付票の下半分を切り取って渡す形が簡単
修理依頼書依頼する側が書いて、メーカーや修理業者に送る書類店頭で受け付けるお店では受付票がこの役を兼ねる
修理管理台帳全件の一覧。受付票を1行ずつ転記したもの受付票は「1件の詳細」、台帳は「全体の進み具合」

このページの受付票は、上半分がお店の控え、下半分がお客様に渡す「お預かり票」になっています。1枚書けば両方がそろいます。

2. 受付票が必要な3つの理由

受付票が無くても修理はできます。困るのは修理の最中ではなく、「お渡しのとき」と「品物が増えたとき」です。

取り違えを防ぐ

同じ品目を何本も預かると、控えの紙だけでは誰の物か追えなくなります。受付番号を票と品物と控えの3か所に書くだけで、ほぼ起きなくなります。

お返しのときに揉めない

「このキズは預ける前からあった」を、お客様と一緒に確認して書いておく欄です。お渡しの場で言った・言わないにならないための記録です。

進捗を追う起点になる

見積もりを伝えたか、承認をもらったか、連絡したか。票に印を付ける欄があると、棚に残っている品物の理由がすぐ分かります。

3. 修理受付票に記載する項目

業種が変わっても、書く項目はほぼ同じです。「抜けると起きること」の列を見て、自店で実際に起きたことがある行は、欄を大きめに取ってください。

項目書くこと抜けると起きること
受付番号・受付日通し番号。品物に付けるタグと、お客様控えにも同じ番号を書く取り違え。棚の品物と紙が結びつかない
お客様の名前・電話番号フリガナも。電話番号は復唱して確認する連絡がつかない。同姓のお客様と混ざる
連絡方法・時間帯電話・LINE・メールのどれで、いつなら出られるか仕上がっても連絡がつかず、品物が棚に残る
品目・品名・型番「アコースティックギター/AG-100」のように、種類と個体の両方見積もりの根拠が曖昧になる
色・特徴・製造番号他の預かり品と見分けがつく書き方で同じ型番を2つ預かったときに取り違える
付属品ケース・箱・保証書・ケーブルなど、預かった物に印「ケースも渡したはず」の行き違い
症状・気になっている点お客様の言葉のまま。「音が出ない」「かかとが片減り」作業する人が症状を再現できない
ご希望・予算の上限修理か、見積もりだけか。いくらまでなら連絡なしで進めてよいか見積もり連絡のたびに作業が止まる
お預かり時の状態キズ・欠け・汚れ・動作の有無を、お客様と一緒に見て書くお渡しのときに「前からあった」が言えない
概算見積もり・承認概算金額と、見積もり後の連絡が要るか、承認をもらった日承認待ちのまま放置される。金額の記憶違い
納期(仕上がり予定日)お客様に伝えた日。お渡し日も後で書く「いつできますか」の電話が増える
担当受付した人と作業する人。1人のお店でも書く癖をつける複数人のお店で「誰が見ているか」分からない
お預かりにあたっての確認事項・署名追加費用の連絡、長期未受け取りの扱い、データ消失の可能性など後からの認識違い。お店の規定を示す根拠がない
進捗の欄受付・見積・承認・作業中・完了・連絡済・お渡し済に印完了したのに連絡していない品物が見えない

一番効くのは「受付番号」と「お預かり時の状態」の2つです。番号は取り違えを、状態の記録はお渡しのときの揉め事を、それぞれ無くします。

4. 無料の修理受付票テンプレート(PDF・Excel)

上の項目をすべて入れた受付票です。A4縦1枚で、上がお店の控え、下が切り取ってお客様に渡す「お預かり票」です。業種を問わず使えるように、品目の欄は空欄にしてあります。改変・社内配布は自由です。

修理受付票テンプレートの記入例(A4縦。上がお店の控え、下がお客様控え)
記入例。青い文字が手書きする部分です(お客様・品物は架空のものです)。
修理受付票.pdf印刷してそのまま使う版。A4縦1枚、白黒。店名は手書きか、ゴム印で。
PDFをダウンロード
修理受付票.xlsx店名を入れて印刷する版。欄の名前や大きさを直せます。記入例と使い方のシート付き。
Excelをダウンロード

使い方

  1. Excel版は「受付票」シートの上下2か所の店名・電話番号を入れて保存します。PDF版はそのまま印刷します。
  2. A4で印刷し、受付のたびに1枚使います。まとめて印刷して、番号を先に書いておくと受付が早くなります。
  3. 下の「お預かり票」を切り取ってお客様に渡し、上半分は番号順にとじて保管します。
  4. 品物には受付番号を書いたタグを付けます。票・品物・控えの3か所に同じ番号がある状態にします。

業種に合わせて足すとよい欄

「色・特徴」の欄か「症状」の欄の余白に書いてもよいですし、Excel版で欄を1つ足しても収まります。

業種足すとよい欄
楽器弦のゲージや張り替えの希望、チューニング、ケースの種類
時計・宝飾電池交換の可否、ベルトの素材とサイズ、石の数と欠けの有無
靴・カバンサイズと左右、素材、ヒールやソールの種類
スマホ・パソコンデータの扱い(消えてよいか)、ロック解除の要否、SIMやSDカードの有無
自転車防犯登録番号、フレームサイズ、付属のライトやカゴ
カメラレンズやメディアの有無、シャッター回数、動作確認の結果

5. 受付の場での書き順

お客様を待たせずに、抜けなく書くための順番です。テンプレートの欄の並びもこの順になっています。

1

先に受付番号を振る

書き始める前に番号を書き、タグにも同じ番号を書いて品物に付けます。番号が最後だと、付け忘れが起きます。

2

症状はお客様の言葉のまま書く

専門用語に言い換えず、聞いたとおりに書きます。「たぶん○○が原因」は別の欄か余白に。

3

品物を一緒に見て、状態と付属品に印を付ける

キズや欠けは場所と大きさまで。お客様に見せながら書くと、お渡しのときに揉めません。

4

見積もり・納期・連絡方法を決めて書く

概算と、見積もり後に連絡が要るかどうか。「いくらまでなら連絡なしで進めてよいか」を聞いておくと、作業が止まりません。

5

控えを切り取って渡す

受付番号・品物・概算・予定日が書かれた下半分をお客様へ。上半分は番号順にとじて保管します。

6. 修理受付でよくある記入漏れ

欄があっても抜けるのは、だいたいこの6つです。どれも「その場では当たり前に思えて、後で困る」ものです。

付属品を書かない

ケースやケーブルは「あって当たり前」なので抜けやすい欄です。お渡しのときに「ケースも渡した」の行き違いになります。

状態を「特になし」で済ませる

見ていないのと同じです。小さなキズでも場所を書き、無ければ「目立つ問題なし」と、見たことが分かる書き方にします。

連絡方法と時間帯が無い

仕上がったのに日中は電話に出られないお客様だと、何日も棚に残ります。LINEやメールの可否と、出られる時間帯を聞いておきます。

承認の要否と上限を決めていない

見積もりが出るたびに連絡して返事を待つことになります。「¥○○まではそのまま進めてよい」を先に聞くと、止まる回数が減ります。

納期を口頭だけで伝える

お店とお客様で記憶が違うと、催促の電話になります。予定日は票と控えの両方に書きます。

受付番号を品物に付けない

票には番号があっても、品物に付いていなければ棚では探せません。タグ・マスキングテープ・荷札のどれでもよいので同じ番号を付けます。

7. 紙で管理する場合

受付票を紙で運用するときに決めておくことは3つです。

  • 番号の付け方。「年+通し番号」(例: 26-0426)のように、年が変わっても重ならない形にします。番号は受付票の束に先に書いておきます。
  • とじ方。「作業中・連絡待ち」と「お渡し済み」の2つに分けてとじます。作業中の束を毎朝めくれば、連絡していない品物が見つかります。
  • 残す期間。お渡し済みの票も、後日の「前回どこを直したか」の問い合わせに備えて一定期間残します。期間はお店の判断ですが、捨てる前に台帳へ転記しておくと安心です。

紙の弱点は「探す」と「共有する」の2つだけです。1人のお店で月に数件なら、紙の受付票と番号タグで十分に回ります。

8. Excelで管理する場合

受付の場でExcelに直接打ち込むのは、お客様を待たせるので現実的ではありません。おすすめは「受付票は紙、一覧はExcel」の2段構えです。受付票を書いたら、その日のうちに台帳へ1行転記します。

  • 受付票(このページのテンプレート)は1件1枚。お客様と一緒に見て書く「記録」。
  • 台帳(Excel)は全件1行ずつ。「状態」で絞り込み、電話番号で過去の修理を探す「一覧」。
  • 受付番号を両方に書くことで、台帳の行から紙の票をすぐ引けます。

台帳のテンプレートと、紙・Excel・専用システムの比較は「修理品管理とは」の解説ページに、台帳の列・状態・便利な機能・毎日の運用は「修理管理をExcelで行う方法」にまとめています。受付票と台帳の2つがそろえば、Excelでの修理管理は一通り整います。

9. 修理件数が増えると起きること

受付票と台帳の2段構えは、件数が増えると転記そのものが仕事になります。同時に、次の4つが目立ってきます。

探すのに時間がかかる

紙の票は作業中の品物の近くに置かれて散らばります。棚を見ても、票を見ても、相手が見つからない時間が増えます。

連絡したかどうかが分からない

完了した品物に「連絡済み」の印が無いと、同じお客様に二度電話をするか、逆に誰も連絡しないかのどちらかになります。

前回の修理が引けない

「前も同じ症状で来た」を確かめるには、とじた票を最初からめくることになります。電話番号で探せる台帳が要ります。

2人以上で共有できない

票は1枚しかないので、作業する人が持っていると、受付の人はお客様からの電話に答えられません。

目安は「見積もりの承認と完了の連絡を、毎日電話でしている」状態になったら、です。道具の選び方は修理品管理の解説ページの「道具の選び方」を、受付票に書いた進捗の欄を毎日どう動かすかは「修理の進捗管理」を参考にしてください。

10. システム化する場合

修理管理システムに切り替えると、受付票の項目がそのまま入力画面になります。変わるのは主に4つです。

  • 受付番号が自動で付き、タグもその場で印刷できる(番号の付け忘れが無くなる)。
  • 受付票と台帳が同じもの になり、転記が要らない。
  • 「見積もり済み」「完了」と状態を変えると、お客様への連絡が自動で届く(連絡忘れが無くなる)。
  • 電話番号で過去の修理が出てくる。スタッフ全員が同じ画面を見られる。

一方で、「受付票を作りたい」段階のお店に、システムは要りません。まずこのページのテンプレートで受付を整え、転記と連絡が負担になってきたら切り替えを考える、で十分です。

リペアカルテとの関係

リペアカルテは、楽器修理の現場で使うために作られた修理管理システムです。このページの受付票と同じ項目(お客様・品物・症状・状態・見積もり・納期・担当・進捗)を1件1枚のカルテとして画面に持ち、受付番号とお預かりタグは自動で発行されます。状態を変えるとLINEやメールでお客様に連絡が届き、電話番号ごとに履歴が残ります。紙の受付票からの移行も、Excelの台帳を取り込む機能で行えます。

フリープランは月100件まで無料で、クレジットカードの登録は不要です。登録せずに1分だけ触ることもできます。

業種ごとの使い方はこちら。

11. よくある質問

修理受付票に決まった様式はありますか?

法律で定められた様式はなく、お店ごとに自由に作れます。ただし「お預かりにあたっての確認事項」(追加費用・長期未受け取り・データ消失など)は、お店の規定に合わせて文言を確かめてください。このページのテンプレートは一般的な内容にしてあります。

お客様の署名は必要ですか?

必須ではありません。ただ、お預かり時の状態と確認事項を一緒に見た証として、署名欄があると後の認識違いが減ります。署名をもらわないお店は、控えを渡した事実を票に残しておくとよいでしょう。

修理依頼書とは何が違いますか?

修理依頼書は「依頼する側」が書いて、メーカーや修理業者に品物と一緒に送る書類です。店頭で品物を預かるお店では、受付票がその役を兼ねます。メーカーに送る修理を取り次ぐお店は、受付票とは別にメーカー指定の依頼書を使うことが多いです。

A5サイズで印刷できますか?

PDFはA4縦1枚の構成です。プリンターの設定で「A5に縮小」して印刷するか、2枚割付で印刷して切り分けてください。Excel版は印刷設定で用紙をA5に変えると1枚に収まるように縮小されます。文字が小さくなるので、記入欄の高さを調整すると使いやすくなります。

スマホ修理などで、パスコードを書いてもらう必要があるときは?

必要な場合だけ、お客様の同意のうえで受け取り、作業が終わったら票から消す(または票の一部を切り離して処分する)運用にします。控えの側には書きません。データの扱いについては、テンプレートの確認事項に「作業により消える場合がある」旨を入れてあります。

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