修理管理システムの選び方|小さな修理店が確認する7つの点と、Excelとの違い
「修理管理システム」で検索すると、メーカー向けの大きなシステムから、Excel のテンプレートまでが同じ画面に並びます。小さな修理店が選ぶときに見るべきところは、機能の数ではなく、毎日の受付とお客様への連絡が1件ずつ楽になるかどうかです。このページでは、呼び名が同じものの3つの種類の見分け方、契約の前に確認する7つの点、Excel や大型システムとの違い、無料で1件を通して試す手順、よくある失敗を、順番にまとめました。
1. 先に結論
- 自分の店に合う「種類」を先に見分けます。メーカー向けの大型システム、小さな修理店向けのサービス、汎用の道具の組み合わせ、の3つです。種類が違うものを比べても決まりません(2章)。
- 比べるのは7つの点だけ。受付・お客様への連絡・状態・検索と履歴・印刷と会計・データの出し入れ・料金の仕組み。この7つが毎日の受付を楽にする部分で、それ以外の機能は「あってもよい」に分けます(3章)。
- 決める前に、実際にあった1件を無料で通します。登録から書き出しまでの7手順(5章)。1件通せば、合う・合わないは分かります。
- 困っていないなら、急ぎません。Excel や紙で回っているうちは、それが正解です。限界の見分け方は「修理管理をExcelで」に書きました。
2. 「修理管理システム」と呼ばれるものには、3つの種類がある
同じ言葉で検索しても、出てくるものの相手は違います。まず、自分の店がどれに当たるかを決めます。見分け方は、画面に並ぶ言葉と、料金の出し方です。
| 種類 | 相手 | 見分け方 | 小さな修理店にとって |
|---|---|---|---|
| メーカー・修理会社向けの大型システム | メーカーの修理部門、保守の会社、修理を請け負う会社 | 画面に「出荷」「請求書」「作業指示」「部門」「承認」が並ぶ。料金はサイトに無く「資料請求」「導入相談」から。初期費用や導入の作業がある | 店頭でお客様から預かる店には、入力する項目が多すぎることがほとんどです |
| 小さな修理店向けのサービス | 店頭や郵送でお客様から品物を預かり、直して返す店 | 受付(預かり)・見積もり・お客様への連絡・お渡しの流れが画面の中心。料金がサイトに書いてあり、自分で登録して使い始められる | このページで扱うのはこの種類です。種類の中でどう見分けるかを3章に書きました |
| 汎用の道具を組み合わせる | Excel・表計算、メモアプリ、LINE公式アカウントだけ、ノーコードで自作 | 修理のための項目や流れは自分で作る。無料か安い。連絡は別の道具で手で送る | 困っていないうちはこれで十分です。限界の見分け方は「修理管理をExcelで」の解説にあります |
大型システムが悪いわけではありません。出荷や請求や部門の承認が要る会社には、それが要ります。店頭でお客様から預かって、直して、返す店には、その流れに合った道具を選ぶ、というだけの話です。
3. 契約の前に確認する7つの点
小さな修理店向けのサービスどうしを比べるときの7つです。順番は、毎日の受付で手が止まりやすい順にしました。どれも、資料ではなく自分で1件入れて確かめられます(5章)。
受付が「1件1枚」で、その場で入力できるか
受付のときに書けないものは、あとで書き写すことになります。書き写しは、いちばん抜けが出る作業です。
見るところ: スマホかタブレットで、お客様の目の前で1件を入れられるか。品物が複数あるとき(ギターとケース、靴の左右など)を1件の中で扱えるか。預かり票やタグをその場で出せるか。
お客様への連絡が、記録とつながっているか
連絡を別の道具(電話・個人のLINE・メール)で送ると、「送ったかどうか」が記録に残らず、連絡忘れが起きます。
見るところ: 状態を変えると、お客様への連絡がそこから出せるか。見積もりの「お願いします」の返事が、電話ではなく記録に残るか。お客様がLINEを使わない場合の手段(メールなど)があるか。
状態(ステータス)が少なく、「誰の番か」が分かるか
状態を増やせる道具は、最初は便利でも、更新が追いつかなくなって信用できなくなります。
見るところ: 状態の数が決まっていて、いま「お店の番」か「お客様の返事待ち」かが一覧で分かるか。止まっている案件(返事が無い・納期が近い)が、探さなくても出てくるか。
検索と履歴
「前回いつ、どこを直したか」が出てこないと、履歴の価値がありません。
見るところ: 電話番号・名前・受付番号のどれからでも引けるか。お客様ごとに過去の修理が並ぶか。預かり中の品物だけを一覧にできるか。
印刷と会計
預かり票・完了伝票・領収書は、紙で渡す場面が残ります。会計はレジで別にすることが多く、二重入力が起きやすいところです。
見るところ: 預かり票(タグ)と完了伝票を印刷できるか。領収書を出せるか。使っているレジと、金額を打ち直さずにつなげる手段(バーコードなど)があるか。
データの出し入れと、やめるときの扱い
入れたデータが出せないと、やめたいときにやめられません。今の台帳を移せないと、始めるときに手で打ち直すことになります。
見るところ: 今の Excel・CSV の台帳や、ほかのシステムの書き出しを取り込めるか。CSV などで自分で書き出せるか。解約したときデータはどうなるか(規約に書いてあるか)。
料金の仕組みと、続く見込み
月額の数字だけ見ると、件数やスタッフの人数で上がるものを見落とします。小さな運営のサービスは、続くかどうかも確かめどころです。
見るところ: 何で金額が変わるか(件数・スタッフ数・機能)。無料の範囲は「期間限定」か「ずっと」か。カードの登録なしで試せるか。運営者の名前と所在地が書いてあるか。お知らせやアップデートが最近も続いているか。

4. Excel との違い
Excel で困っていない店に、専用のものは要りません。違いが出るのは「連絡」と「2人以上」と「お客様が自分で見る」の3つです。できること・大変なことを分けて書きます。
| やること | Excel で | 専用システムで |
|---|---|---|
| 一覧・並べ替え・絞り込み | できます。得意なところです | 同じようにできます |
| 月ごとの集計 | できます(ピボットや SUMIF) | 同じようにできます |
| お客様への連絡 | 台帳とは別に、電話や LINE で手で送ります。「送った」の記録は自分で書きます | 状態を変えると、記録からお客様へ送れます。送った記録が残ります |
| 見積もりの承認の記録 | 電話の返事をメモします。言った・言わないが残りません | お客様がスマホで承認し、いつ承認したかが記録に残ります |
| 2人以上での同時更新 | 同じファイルを同時に開くと、上書きか競合が起きます | 同じ記録を、別の端末から同時に更新できます |
| スマホからの入力 | できなくはないが、列が多い表はスマホで入れにくい | スマホの画面に合わせた入力欄で、お客様の前で入れられます |
| お客様が自分で状況を見る | できません。問い合わせの電話で答えます | お客様ページで、お客様が自分で進み具合を見られます |
| 写真を付ける | 別のフォルダに保存し、ファイル名で結びつけます | 記録に写真を付けて、見積もりやレポートと一緒に送れます |
Excel の台帳の作り方と、限界がくる前の見分け方は「修理管理をExcelで行う方法」に、紙・Excel・専用システムの全体の比べ方は「修理品管理とは」にまとめています。ここでは繰り返しません。
5. 無料で1件を通して試す
資料や機能の一覧を読み比べるより、1件を最初から最後まで通すほうが確実です。無料の範囲か、お試し期間のある製品で、この順に進めます。実際にあった受付を使うのがこつです。
登録して、業種の初期設定をする
品目や状態がその業種で使う言葉になっているか。ここで迷うものは、毎日の受付でも迷います。
昨日の受付を1件、そのまま入れる
架空の例ではなく、実際にあった1件を入れます。項目が足りないか、多すぎるかがすぐ分かります。
預かり票(タグ)を印刷する
店のプリンターで出るか、紙の大きさは合うか。印刷の手間が受付の手間になります。
状態を変えて、自分のスマホに連絡を届かせる
お客様役を自分でやります。見積もりの文面、承認のボタン、完了の連絡が、お客様の目にどう見えるかを確かめます。
お客様ページを開く
お客様が自分で状況を見られる画面があるなら、スマホで開いてみます。問い合わせの電話を減らすのはこの画面です。
一覧で「止まっている件」を探す
入れた1件の納期を過ぎた日付にして、一覧や毎朝見る画面に出てくるかを見ます。
データを書き出す
入れた1件を CSV などで出してみます。出せないなら、やめるときに困ります。
7手順のどこかで「これは店では無理だ」と思ったら、その製品はそこまでです。無理が無ければ、翌日の受付から、紙や Excel と並行して使い始めます。並行の期間は、預かり中の案件が入れ替わるまでで足ります。
6. よくある失敗
機能の数で選ぶ
使わない機能は、画面を複雑にするだけです。3章の7つを満たしているかを先に見て、そのほかは「あってもよい」に分けます。
料金表の月額だけで決める
件数やスタッフの人数で上がるもの、年払いしかないもの、無料が期間限定のものがあります。1年使ったときの金額で比べます。
試さずに、移行の日を決める
1件も通していない道具に、全部の受付を移すのは危険です。5章の順で1件を通し、翌日の受付から並行して使い始めます。
過去のデータを全部移そうとする
移すのは、預かり中の案件と、よく来るお客様の履歴だけで足ります。終わった案件は、必要になったときに古い台帳を見れば済みます。
店主だけで決めて、受付に立つ人が使わない
受付に立つ人が入力できないものは、結局店主が書き写します。試すときは、受付に立つ人にも1件入れてもらいます。
お客様の連絡の手段まで一度に変える
LINE を使わないお客様に LINE を求めると、受付で止まります。メールや電話が残せるものを選び、お客様ごとに手段を選べる形にします。
7. 確認リスト
3章の7つを、確かめる形に直したものです。製品ごとに印を付けて並べると、比べる材料になります。全部に印が付く必要はありません。自分の店で毎日起きることに、印が付いていれば十分です。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| 受付の1件を、スマホかタブレットでお客様の前で入れられる | |
| 品物が複数あっても、1件の中で扱える | |
| 状態を変えると、お客様への連絡をそこから送れる(LINE・メールなど、お客様が選べる) | |
| 見積もりの承認が、記録に残る | |
| 状態の数が決まっていて、「誰の番か」が一覧で分かる | |
| 返事が無い・納期が近い案件が、探さなくても出てくる | |
| 電話番号・名前・受付番号のどれからでも引ける | |
| お客様ごとに、過去の修理が並ぶ | |
| 預かり票(タグ)・完了伝票・領収書を印刷できる | |
| レジに金額を打ち直さずに渡せる手段がある(必要な店だけ) | |
| 今の台帳(Excel・CSV・ほかのシステム)を取り込める | |
| 自分でデータを書き出せる。解約時のデータの扱いが規約に書いてある | |
| 何で料金が変わるか(件数・人数・機能)が分かる。無料の範囲が「ずっと」か「期間限定」か分かる | |
| カードの登録なしで試せる | |
| 運営者の名前と所在地が書いてある。お知らせが最近も更新されている |
8. よくある質問
修理管理システムと POS レジは何が違いますか?
レジは「いくら受け取ったか」の記録、修理管理システムは「預かってから返すまで」の記録と連絡です。レジは修理の進み具合やお客様への連絡は扱いません。両方を使う店が多く、確定した金額をレジに打ち直さずに渡せる手段(バーコードなど)があると二重入力が減ります。
無料で使える修理管理システムはありますか?
無料の範囲(件数・人数・期間)は製品ごとに違います。「お試し期間だけ無料」なのか「一定の範囲までずっと無料」なのか、カードの登録が要るのかを確かめてください。無料の範囲で始めて、件数や人数が増えたら有料にする形が、小さな店には合っています。
スマホだけで使えますか?
ブラウザで動くものなら、スマホ・タブレット・パソコンのどれからでも同じデータを見られます。受付はタブレット、連絡の確認はスマホ、月の集計はパソコン、という使い分けができます。印刷だけは、プリンターにつながる端末から行います。
今の Excel の台帳はどうなりますか?
取り込みができる製品なら、台帳の列を対応づけて移せます。全部を移す必要はなく、預かり中の案件と、よく来るお客様の履歴だけ移せば、翌日から使えます。古い台帳は、そのまま残しておけば困りません。
1人でやっている店にも必要ですか?
困っていないうちは要りません。目安は件数ではなく、「連絡したかどうかを思い出せない」「前回の修理を探すのに時間がかかる」「見積もりの返事待ちが溜まる」が起き始めたときです。1人の店ほど、連絡と検索の手間がそのまま作業の時間を削ります。
9. Repair Karte の場合
このページを書いている Repair Karte(リペアカルテ)を、3章の7つの点で正直に書きます。小さな修理店向けのサービス(2章の2番目の種類)です。比べる材料のひとつとしてお使いください。
| 確認する点 | Repair Karte では |
|---|---|
| 1. 受付 | 1件1枚のカルテ。ブラウザで動くので、スマホ・iPad・パソコンのどれからでも入力できます。複数の品物を1件で受け付け、お預かりタグをその場で印刷できます(すべてのプラン)。 |
| 2. お客様への連絡 | 状態を変えると、お客様の LINE またはメールに自動で届きます。見積もりはお客様がスマホで承認し、記録に残ります。LINE を使わないお客様には、お預かり票の QR コードからメールアドレスを登録してもらえます(スタンダード以上)。 |
| 3. 状態 | 状態は決まった段階だけで、増やせません。納期が近い案件や、返事待ちが長い案件は、ダッシュボードの「要対応」にまとまります。 |
| 4. 検索と履歴 | 電話番号・名前・受付番号で引けます。お客様ごとに過去の修理が並びます(すべてのプラン)。 |
| 5. 印刷と会計 | お預かりタグ・修理完了伝票の印刷(すべてのプラン)、領収書の発行。確定した金額をバーコードにして POS レジで読み取るレジ連携はプロプランです。 |
| 6. データの出し入れ | Excel・CSV の台帳や、ほかの修理システムの書き出しを取り込めます。CSV 出力と売上帳はスタンダード以上。解約するときは、登録したデータをお渡しします(利用規約に明記)。 |
| 7. 料金と運営 | フリープランは月100件まで、カードの登録なしでずっと無料(スタッフ1名)。スタンダードは月額¥2,980(スタッフ3名)、プロは月額¥5,980(スタッフ無制限)。1店舗あたり・税抜。新規登録から30日間はプロプラン相当の機能を試せます。運営者と所在地は特定商取引法に基づく表記に、アップデートはお知らせにあります。 |
5章の7手順は、登録なしで3分だけ触れる練習用のお店でも途中まで試せます。全部を通すなら、無料で登録して、昨日の受付を1件入れてみてください。料金表はトップの料金に、機能は機能の一覧にまとめています。
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