← 修理店の業務ガイドの一覧にもどる
GUIDE

修理管理システムの選び方|小さな修理店が確認する7つの点と、Excelとの違い

「修理管理システム」で検索すると、メーカー向けの大きなシステムから、Excel のテンプレートまでが同じ画面に並びます。小さな修理店が選ぶときに見るべきところは、機能の数ではなく、毎日の受付とお客様への連絡が1件ずつ楽になるかどうかです。このページでは、呼び名が同じものの3つの種類の見分け方、契約の前に確認する7つの点、Excel や大型システムとの違い、無料で1件を通して試す手順、よくある失敗を、順番にまとめました。

公開日 2026年10月7日 ・ 執筆 Repair Karte(楽器修理の現場から生まれた修理品管理システム)

1. 先に結論

  • 自分の店に合う「種類」を先に見分けます。メーカー向けの大型システム、小さな修理店向けのサービス、汎用の道具の組み合わせ、の3つです。種類が違うものを比べても決まりません(2章)。
  • 比べるのは7つの点だけ。受付・お客様への連絡・状態・検索と履歴・印刷と会計・データの出し入れ・料金の仕組み。この7つが毎日の受付を楽にする部分で、それ以外の機能は「あってもよい」に分けます(3章)。
  • 決める前に、実際にあった1件を無料で通します。登録から書き出しまでの7手順(5章)。1件通せば、合う・合わないは分かります。
  • 困っていないなら、急ぎません。Excel や紙で回っているうちは、それが正解です。限界の見分け方は「修理管理をExcelで」に書きました。

2. 「修理管理システム」と呼ばれるものには、3つの種類がある

同じ言葉で検索しても、出てくるものの相手は違います。まず、自分の店がどれに当たるかを決めます。見分け方は、画面に並ぶ言葉と、料金の出し方です。

種類相手見分け方小さな修理店にとって
メーカー・修理会社向けの大型システムメーカーの修理部門、保守の会社、修理を請け負う会社画面に「出荷」「請求書」「作業指示」「部門」「承認」が並ぶ。料金はサイトに無く「資料請求」「導入相談」から。初期費用や導入の作業がある店頭でお客様から預かる店には、入力する項目が多すぎることがほとんどです
小さな修理店向けのサービス店頭や郵送でお客様から品物を預かり、直して返す店受付(預かり)・見積もり・お客様への連絡・お渡しの流れが画面の中心。料金がサイトに書いてあり、自分で登録して使い始められるこのページで扱うのはこの種類です。種類の中でどう見分けるかを3章に書きました
汎用の道具を組み合わせるExcel・表計算、メモアプリ、LINE公式アカウントだけ、ノーコードで自作修理のための項目や流れは自分で作る。無料か安い。連絡は別の道具で手で送る困っていないうちはこれで十分です。限界の見分け方は「修理管理をExcelで」の解説にあります

大型システムが悪いわけではありません。出荷や請求や部門の承認が要る会社には、それが要ります。店頭でお客様から預かって、直して、返す店には、その流れに合った道具を選ぶ、というだけの話です。

3. 契約の前に確認する7つの点

小さな修理店向けのサービスどうしを比べるときの7つです。順番は、毎日の受付で手が止まりやすい順にしました。どれも、資料ではなく自分で1件入れて確かめられます(5章)。

1

受付が「1件1枚」で、その場で入力できるか

受付のときに書けないものは、あとで書き写すことになります。書き写しは、いちばん抜けが出る作業です。

見るところ: スマホかタブレットで、お客様の目の前で1件を入れられるか。品物が複数あるとき(ギターとケース、靴の左右など)を1件の中で扱えるか。預かり票やタグをその場で出せるか。

2

お客様への連絡が、記録とつながっているか

連絡を別の道具(電話・個人のLINE・メール)で送ると、「送ったかどうか」が記録に残らず、連絡忘れが起きます。

見るところ: 状態を変えると、お客様への連絡がそこから出せるか。見積もりの「お願いします」の返事が、電話ではなく記録に残るか。お客様がLINEを使わない場合の手段(メールなど)があるか。

3

状態(ステータス)が少なく、「誰の番か」が分かるか

状態を増やせる道具は、最初は便利でも、更新が追いつかなくなって信用できなくなります。

見るところ: 状態の数が決まっていて、いま「お店の番」か「お客様の返事待ち」かが一覧で分かるか。止まっている案件(返事が無い・納期が近い)が、探さなくても出てくるか。

4

検索と履歴

「前回いつ、どこを直したか」が出てこないと、履歴の価値がありません。

見るところ: 電話番号・名前・受付番号のどれからでも引けるか。お客様ごとに過去の修理が並ぶか。預かり中の品物だけを一覧にできるか。

5

印刷と会計

預かり票・完了伝票・領収書は、紙で渡す場面が残ります。会計はレジで別にすることが多く、二重入力が起きやすいところです。

見るところ: 預かり票(タグ)と完了伝票を印刷できるか。領収書を出せるか。使っているレジと、金額を打ち直さずにつなげる手段(バーコードなど)があるか。

6

データの出し入れと、やめるときの扱い

入れたデータが出せないと、やめたいときにやめられません。今の台帳を移せないと、始めるときに手で打ち直すことになります。

見るところ: 今の Excel・CSV の台帳や、ほかのシステムの書き出しを取り込めるか。CSV などで自分で書き出せるか。解約したときデータはどうなるか(規約に書いてあるか)。

7

料金の仕組みと、続く見込み

月額の数字だけ見ると、件数やスタッフの人数で上がるものを見落とします。小さな運営のサービスは、続くかどうかも確かめどころです。

見るところ: 何で金額が変わるか(件数・スタッフ数・機能)。無料の範囲は「期間限定」か「ずっと」か。カードの登録なしで試せるか。運営者の名前と所在地が書いてあるか。お知らせやアップデートが最近も続いているか。

対応中の修理が受付番号・お客様・品物・状態・納期の列で並ぶ一覧の画面
3番と4番は、一覧の画面を見ると分かります。状態の列が決まった言葉で並び、納期の列があるか(Repair Karteの画面。お客様は架空です)。

4. Excel との違い

Excel で困っていない店に、専用のものは要りません。違いが出るのは「連絡」と「2人以上」と「お客様が自分で見る」の3つです。できること・大変なことを分けて書きます。

やることExcel で専用システムで
一覧・並べ替え・絞り込みできます。得意なところです同じようにできます
月ごとの集計できます(ピボットや SUMIF)同じようにできます
お客様への連絡台帳とは別に、電話や LINE で手で送ります。「送った」の記録は自分で書きます状態を変えると、記録からお客様へ送れます。送った記録が残ります
見積もりの承認の記録電話の返事をメモします。言った・言わないが残りませんお客様がスマホで承認し、いつ承認したかが記録に残ります
2人以上での同時更新同じファイルを同時に開くと、上書きか競合が起きます同じ記録を、別の端末から同時に更新できます
スマホからの入力できなくはないが、列が多い表はスマホで入れにくいスマホの画面に合わせた入力欄で、お客様の前で入れられます
お客様が自分で状況を見るできません。問い合わせの電話で答えますお客様ページで、お客様が自分で進み具合を見られます
写真を付ける別のフォルダに保存し、ファイル名で結びつけます記録に写真を付けて、見積もりやレポートと一緒に送れます

Excel の台帳の作り方と、限界がくる前の見分け方は「修理管理をExcelで行う方法」に、紙・Excel・専用システムの全体の比べ方は「修理品管理とは」にまとめています。ここでは繰り返しません。

5. 無料で1件を通して試す

資料や機能の一覧を読み比べるより、1件を最初から最後まで通すほうが確実です。無料の範囲か、お試し期間のある製品で、この順に進めます。実際にあった受付を使うのがこつです。

1

登録して、業種の初期設定をする

品目や状態がその業種で使う言葉になっているか。ここで迷うものは、毎日の受付でも迷います。

2

昨日の受付を1件、そのまま入れる

架空の例ではなく、実際にあった1件を入れます。項目が足りないか、多すぎるかがすぐ分かります。

3

預かり票(タグ)を印刷する

店のプリンターで出るか、紙の大きさは合うか。印刷の手間が受付の手間になります。

4

状態を変えて、自分のスマホに連絡を届かせる

お客様役を自分でやります。見積もりの文面、承認のボタン、完了の連絡が、お客様の目にどう見えるかを確かめます。

5

お客様ページを開く

お客様が自分で状況を見られる画面があるなら、スマホで開いてみます。問い合わせの電話を減らすのはこの画面です。

6

一覧で「止まっている件」を探す

入れた1件の納期を過ぎた日付にして、一覧や毎朝見る画面に出てくるかを見ます。

7

データを書き出す

入れた1件を CSV などで出してみます。出せないなら、やめるときに困ります。

7手順のどこかで「これは店では無理だ」と思ったら、その製品はそこまでです。無理が無ければ、翌日の受付から、紙や Excel と並行して使い始めます。並行の期間は、預かり中の案件が入れ替わるまでで足ります。

6. よくある失敗

機能の数で選ぶ

使わない機能は、画面を複雑にするだけです。3章の7つを満たしているかを先に見て、そのほかは「あってもよい」に分けます。

料金表の月額だけで決める

件数やスタッフの人数で上がるもの、年払いしかないもの、無料が期間限定のものがあります。1年使ったときの金額で比べます。

試さずに、移行の日を決める

1件も通していない道具に、全部の受付を移すのは危険です。5章の順で1件を通し、翌日の受付から並行して使い始めます。

過去のデータを全部移そうとする

移すのは、預かり中の案件と、よく来るお客様の履歴だけで足ります。終わった案件は、必要になったときに古い台帳を見れば済みます。

店主だけで決めて、受付に立つ人が使わない

受付に立つ人が入力できないものは、結局店主が書き写します。試すときは、受付に立つ人にも1件入れてもらいます。

お客様の連絡の手段まで一度に変える

LINE を使わないお客様に LINE を求めると、受付で止まります。メールや電話が残せるものを選び、お客様ごとに手段を選べる形にします。

7. 確認リスト

3章の7つを、確かめる形に直したものです。製品ごとに印を付けて並べると、比べる材料になります。全部に印が付く必要はありません。自分の店で毎日起きることに、印が付いていれば十分です。

確認確かめること
受付の1件を、スマホかタブレットでお客様の前で入れられる
品物が複数あっても、1件の中で扱える
状態を変えると、お客様への連絡をそこから送れる(LINE・メールなど、お客様が選べる)
見積もりの承認が、記録に残る
状態の数が決まっていて、「誰の番か」が一覧で分かる
返事が無い・納期が近い案件が、探さなくても出てくる
電話番号・名前・受付番号のどれからでも引ける
お客様ごとに、過去の修理が並ぶ
預かり票(タグ)・完了伝票・領収書を印刷できる
レジに金額を打ち直さずに渡せる手段がある(必要な店だけ)
今の台帳(Excel・CSV・ほかのシステム)を取り込める
自分でデータを書き出せる。解約時のデータの扱いが規約に書いてある
何で料金が変わるか(件数・人数・機能)が分かる。無料の範囲が「ずっと」か「期間限定」か分かる
カードの登録なしで試せる
運営者の名前と所在地が書いてある。お知らせが最近も更新されている

8. よくある質問

修理管理システムと POS レジは何が違いますか?

レジは「いくら受け取ったか」の記録、修理管理システムは「預かってから返すまで」の記録と連絡です。レジは修理の進み具合やお客様への連絡は扱いません。両方を使う店が多く、確定した金額をレジに打ち直さずに渡せる手段(バーコードなど)があると二重入力が減ります。

無料で使える修理管理システムはありますか?

無料の範囲(件数・人数・期間)は製品ごとに違います。「お試し期間だけ無料」なのか「一定の範囲までずっと無料」なのか、カードの登録が要るのかを確かめてください。無料の範囲で始めて、件数や人数が増えたら有料にする形が、小さな店には合っています。

スマホだけで使えますか?

ブラウザで動くものなら、スマホ・タブレット・パソコンのどれからでも同じデータを見られます。受付はタブレット、連絡の確認はスマホ、月の集計はパソコン、という使い分けができます。印刷だけは、プリンターにつながる端末から行います。

今の Excel の台帳はどうなりますか?

取り込みができる製品なら、台帳の列を対応づけて移せます。全部を移す必要はなく、預かり中の案件と、よく来るお客様の履歴だけ移せば、翌日から使えます。古い台帳は、そのまま残しておけば困りません。

1人でやっている店にも必要ですか?

困っていないうちは要りません。目安は件数ではなく、「連絡したかどうかを思い出せない」「前回の修理を探すのに時間がかかる」「見積もりの返事待ちが溜まる」が起き始めたときです。1人の店ほど、連絡と検索の手間がそのまま作業の時間を削ります。

9. Repair Karte の場合

このページを書いている Repair Karte(リペアカルテ)を、3章の7つの点で正直に書きます。小さな修理店向けのサービス(2章の2番目の種類)です。比べる材料のひとつとしてお使いください。

確認する点Repair Karte では
1. 受付1件1枚のカルテ。ブラウザで動くので、スマホ・iPad・パソコンのどれからでも入力できます。複数の品物を1件で受け付け、お預かりタグをその場で印刷できます(すべてのプラン)。
2. お客様への連絡状態を変えると、お客様の LINE またはメールに自動で届きます。見積もりはお客様がスマホで承認し、記録に残ります。LINE を使わないお客様には、お預かり票の QR コードからメールアドレスを登録してもらえます(スタンダード以上)。
3. 状態状態は決まった段階だけで、増やせません。納期が近い案件や、返事待ちが長い案件は、ダッシュボードの「要対応」にまとまります。
4. 検索と履歴電話番号・名前・受付番号で引けます。お客様ごとに過去の修理が並びます(すべてのプラン)。
5. 印刷と会計お預かりタグ・修理完了伝票の印刷(すべてのプラン)、領収書の発行。確定した金額をバーコードにして POS レジで読み取るレジ連携はプロプランです。
6. データの出し入れExcel・CSV の台帳や、ほかの修理システムの書き出しを取り込めます。CSV 出力と売上帳はスタンダード以上。解約するときは、登録したデータをお渡しします(利用規約に明記)。
7. 料金と運営フリープランは月100件まで、カードの登録なしでずっと無料(スタッフ1名)。スタンダードは月額¥2,980(スタッフ3名)、プロは月額¥5,980(スタッフ無制限)。1店舗あたり・税抜。新規登録から30日間はプロプラン相当の機能を試せます。運営者と所在地は特定商取引法に基づく表記に、アップデートはお知らせにあります。

5章の7手順は、登録なしで3分だけ触れる練習用のお店でも途中まで試せます。全部を通すなら、無料で登録して、昨日の受付を1件入れてみてください。料金表はトップの料金に、機能は機能の一覧にまとめています。

関連する解説